バケバケ2
俺は慌ててカーテンの隙間を閉じた。
ヤバい、バレた?
…いや、別に隠れる必要もないか。
「なぁに?どうしたの?」
エレジーが不思議そうに俺を見る。
「…バケバケの気配がするっス。」
カーテンの向こうから少年の声が聞こえる。
今、バケバケって…
エレジーと目が合ったのは気のせいじゃなかった。
こいつバケバケが見えるんだ。
「こんなところにまでいたなんて…驚きっスね。」
カーテンに少年の影が映る。
「安心してください、灰音先パイ。……敷島が片付けてやるっス…」
影が揺れる。
その瞬間、カーテンが横に真っ二つに切れた。
「……バケバケ…見ーつけた。」
俺たちの前に少年が現れた。
左手には竹刀を持っている。
手に握っていた布の中身は竹刀だったのか。
「……むぅ…お前、バケバケじゃないっスね?」
少年が竹刀で俺を指す。