バケバケ2
5.決別
5.決別
「洋子、聞いて欲しいことがあるんだ。」
また…この顔。
シイの真剣な顔。
でも、この表情はこの前のとは違う。
何か隠してる顔だ。
「俺、もう洋子と一緒にはいられない。」
「…え?」
一緒にはいられないって、どういうこと?
「俺はもう、学校も辞める。」
「…冗談だよね?…どうして」
どうしてそんなこと言うのと言おうとして、シイの顔を見た私は何も喋ることが出来なくなった。
シイの顔が辛そうで、これ以上何かを言って困らせてはいけない気がした。
「ごめん、洋子…ごめん。」
「この間、私のこと好きって言ってくれて嬉しかった。私もシイが好き。だから一緒にいたい。」
私の言葉に、シイは黙って俯くだけだった。
「わかった。それがシイが決めたことなら私は…」