バケバケ2
泣いちゃいけない…シイの決めたことは受け入れなきゃ。
でも、涙が止まらなくて…
私の頬を伝ってポロポロと地面に落ちる。
「洋子…」
シイの手が、私の涙を拭った。
そして私を抱き寄せた。
「好き…。」
シイは私の耳元で呟いた。
「好きだから洋子と一緒にはいられない。」
シイの手が私の体から離れる。
「私もシイが好き!だから一緒にいたいの…どうして…!」
シイの口が私の口を塞いだ。
時間が止まったような気がした。
「最初で最後になっちゃったな。」
シイはそう言うと私に背を向けた。
「さよなら。」
シイの背中を見つめながら、私は何も言えずに、ただただ涙を堪えるだけで精一杯だった。
シイの姿が見えなくなって、1人で泣いた。
「行かないで…」