バケバケ2
「でも…バケバケの匂いがするっス。」
少年が竹刀を振り回す。
俺はギリギリでそれをかわした。
「……バケバケ…消してやるっス。」
こいつ…本気だ。
「止めろ、敷島!この二人は仲間だ!」
灰音が後ろから少年の腕を掴んだ。
「仲間?」
少年の動きが止まった。
…助かった。
「仲間…灰音先パイのっスか?」
「そうだよ。」
少年は灰音をじっと見てから竹刀を下ろした。
「仲間…わかったっス。」
誤解が解けたみたいだ。
よかった。
にしても、こいつ何者だ?
バケバケは見えるし、あの竹刀…
かなりの速さだった。
避けるのが少しでも遅かったら危なかったな…
「……ごめんっス。敷島…うっかりさんだったっス。」
少年が俺とエレジーに向かって頭を下げた。
「いや、覗いてた俺も悪いし。」
「敷島、コイツはシイだ。今は人間だけど元バケバケ。愛想ないけどいいヤツだよ。」
灰音が少年に俺を紹介した。
後半は余計だけど。