バケバケ2
間もなく0時になる。
10年目がやってくる。
その時、俺の携帯が鳴った。
発信元は洋子の母親…
嫌な予感がした。
「もしもし…」
『シイくん…?遅くにごめんね。実は……洋子が出掛けたっきり帰って来ないの。』
「え…?」
『電話かけても繋がらないし…たぶん、昨日私がいない間に時雨が来ていたから、時雨のところに行ったのかもしれない。』
「……」
『洋子は私が時雨を避けていることを知っているから、私に行き先を伝えなかったんだと思う。…お願い、あの子を助けて。』
電話が切れる。
洋子の母親は知っていんだ。
自分の息子がどれほど危険なのか、そして自分の夫を殺したのは誰なのか。
急がなくては。
目的地はここからそんなに離れていない。
ギリギリだが急げばまだ日付が変わる前に間に合う。
「シイ…!」