バケバケ2





間もなく0時になる。


10年目がやってくる。







その時、俺の携帯が鳴った。


発信元は洋子の母親…


嫌な予感がした。


「もしもし…」


『シイくん…?遅くにごめんね。実は……洋子が出掛けたっきり帰って来ないの。』


「え…?」


『電話かけても繋がらないし…たぶん、昨日私がいない間に時雨が来ていたから、時雨のところに行ったのかもしれない。』


「……」


『洋子は私が時雨を避けていることを知っているから、私に行き先を伝えなかったんだと思う。…お願い、あの子を助けて。』









電話が切れる。


洋子の母親は知っていんだ。


自分の息子がどれほど危険なのか、そして自分の夫を殺したのは誰なのか。






急がなくては。


目的地はここからそんなに離れていない。


ギリギリだが急げばまだ日付が変わる前に間に合う。







「シイ…!」










< 221 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop