バケバケ2
ギンに別れを告げ、俺は時雨を探し始めた。
時雨…どこにいるんだ。
きっと洋子も時雨の近くにいるはず。
それに、あいつなら大丈夫だとは思うが灰音の行方も気になる。
一瞬、ギンの顔が脳裏に浮かんで消えた。
また、俺はギンを救えないのか。
ダメだ、振り返っちゃ。
早く洋子とこんなところ出よう。
早くしないと飲まれそうだ。
俺は目の前の引き戸を開けた。
俺の目に飛び込んで来たのは、懐かしい顔たち。
「遅っせぇーよ、シイ!」