バケバケ2
2.再会
2.再会
どうしてこんなもの作っちゃったかな。
もし叶うならあの頃の俺をぶん殴ってやりたい。
こんなものを作って、俺もシグのやつと変わらない。
いや、あいつと俺は似ていたから、だから俺はあいつと手を組んだ。
そしてバケバコを作ったんだ。
嘘で塗り固めた世界を現実に変える箱。
こんなもの、作らなきゃ良かった。
こんなものなかったら、辛い思いをしなくて済んだ。
こんなものなかったら、苦しまなくて済んだ。
俺の隣に寄り添うエレジーの手を取る。
分かってるんだ。
これが偽物だってことくらい。
「ハイネ、泣いてるの?」
偽物なのに…
この世界は全部バケバコが作り出した世界なのに。
でもこれが現実になるなら…
シグの行動を身過ごせば、止めなければ、これは現実になるなら…
そんなことを考えてしまう自分が嫌いだ。