バケバケ2
確かに斬ったはずなのに、灰音の体は斬れることはなかった。
何も起こらない。
エレジーは灰音の頬に自分の手を添えた。
「ハイネ、生きて。」
エレジーの体は消えかかっていた。
灰音が顔を上げ、エレジーの顔を見つめる。
「…誰だ?」
エレジーはその言葉に頷き、微笑んだ。
そして消えた。
応接間には俺と灰音だけが残された。
「…灰音?」
「あぁ、シイ。やっと合流できたな。俺こんなとこで座り込んでなにやってたんだろう。」
そう言って灰音は立ち上がる。
「お前、覚えてないのか?」
「…なにが?それより、早く洋子とシグを探さなきゃ。」
「そう、だな…」