バケバケ2




確かに斬ったはずなのに、灰音の体は斬れることはなかった。








何も起こらない。


エレジーは灰音の頬に自分の手を添えた。






「ハイネ、生きて。」








エレジーの体は消えかかっていた。


灰音が顔を上げ、エレジーの顔を見つめる。








「…誰だ?」










エレジーはその言葉に頷き、微笑んだ。


そして消えた。








応接間には俺と灰音だけが残された。


「…灰音?」


「あぁ、シイ。やっと合流できたな。俺こんなとこで座り込んでなにやってたんだろう。」


そう言って灰音は立ち上がる。


「お前、覚えてないのか?」


「…なにが?それより、早く洋子とシグを探さなきゃ。」


「そう、だな…」











< 237 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop