バケバケ2




「それがあなたの答えなのね。」





梅雨さんは静かにそう言うと、俺の方に向かって一歩前に進んだ。


「わかった。それなら私は、私の世界を守るために戦うわ。」


梅雨さんの目が真っ直ぐに俺を見据えていた。


そんな梅雨さんを制して、時雨が梅雨さんの前に出る。


「梅雨、今度は僕に貴女を守らせてください。」


「シグ…でも…」


「大丈夫。必ず守りますから。」


梅雨さんは時雨の言葉に頷くと、木の近くまで下がった。







「今日が約束の10年ですね。」


時雨の左手に黒い傘が現れる。


「僕は必ず洋子を殺し、この世界を守ります。」


傘の先が俺を捉える。





きっと、これが最後の戦いだ。










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