バケバケ2




俺の背中に何かが当たった。


きっとこれは時雨の傘だ。






また守れないのか。


洋子はこんなに近くにいるのに。


たくさんのものを犠牲にしてきたのに、それでも洋子を守れないのか。


悔しい。







その時だった、木の中の洋子が薄く目を開けた。







「シイ…?」






「洋子…」






木に触れる。


洋子は笑っていた。


大丈夫だよ、と。


そう言われている気がした。







だめだ、まだ俺は…






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