バケバケ2
不意に携帯が鳴り、俺は現実に戻された。
灰音からメールだ。
『ちょっと遅くなる!先に時雨と目的地に向かっててくれ!』
また寝坊か。
あれから、俺と時雨と灰音は各地のバケバケの起こす事件の解決をして回っている。
バケバコが無くなったとはいえ、人間に恨みを持つバケバケはまだいる。
気持ちは分からなくもないが、そういったバケバケを説得したり、時には依頼に応じて退治したりしている。
もっとも時雨は大学院に通いながらだし、灰音は店の仕事もあるからほとんどの仕事は俺がしているんだが。
今日も依頼でここに来た訳だが…時雨も来ていないしまた1人で片付けることになりそうだ。
それにしても、久しぶりにこの町に来た。
まだ時間はある。
俺は少しだけ寄り道して行くことにした。