バケバケ2




何かがおかしい。


姫だからたぶん女なんだろう。


敷島は姫と暮らしていた。


姫は家から出たことがない。


その姫が朝起きたらいなくなっていた。


…いなくなっていた?


いや、さっき敷島は無くなってたって言った。


赤くて、綺麗で…?


まさか…







「敷島、姫っていうのは人なのか?」


すると敷島はきょとんとした顔で静かに首を横に振った。


「違うっスよ。」


すぐに灰音が反応する。


「はぁー?人じゃないなら早く言えよ!」


「……すみませんっス?」


敷島はどうして怒られたのかわからない様子だ。






「で、結局姫って何なんだ?」


「姫は…敷島家に代々伝わる家宝っス。」


「家宝?なんなんだその家宝って。」


「……」


敷島はもったいぶるように間を置いて言った。






「呪いの刀っス。」






< 29 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop