バケバケ2
何かがおかしい。
姫だからたぶん女なんだろう。
敷島は姫と暮らしていた。
姫は家から出たことがない。
その姫が朝起きたらいなくなっていた。
…いなくなっていた?
いや、さっき敷島は無くなってたって言った。
赤くて、綺麗で…?
まさか…
「敷島、姫っていうのは人なのか?」
すると敷島はきょとんとした顔で静かに首を横に振った。
「違うっスよ。」
すぐに灰音が反応する。
「はぁー?人じゃないなら早く言えよ!」
「……すみませんっス?」
敷島はどうして怒られたのかわからない様子だ。
「で、結局姫って何なんだ?」
「姫は…敷島家に代々伝わる家宝っス。」
「家宝?なんなんだその家宝って。」
「……」
敷島はもったいぶるように間を置いて言った。
「呪いの刀っス。」