バケバケ2
「バケバケ研究者である俺にしちゃあ多少気になるところもあるけど…んで、その刀が朝起きたら敷島の元から消えていた、と。そーゆーことだな?」
コクコクと頷く敷島。
「わかった。一応知ってそうな客当たって聞いといてやるよ。」
灰音がソファーから立ち上がる。
「だから今日のところは帰りな。」
灰音は応接室の扉を開けて敷島を帰らせようとした。
「……。」
しかし、敷島は黙って灰音を見つめるだけでソファーから動こうとしない。
「どうした?」
「……ヤダっス。」
敷島は表情を少しも変えず、当たり前のように行った。
「敷島、帰る家ないっス。」
「……。」
沈黙。
「……ないって…」
灰音が何か言いかけたがそれは別の音にかきけされた。
―グウゥゥ…
応接室に響く仰々しい音。
なんだ今の音。
そう聞く前に敷島が呟いていた。
「灰音先パイ……敷島、腹減ったっス。」