バケバケ2




それだけだった。






電車から降りて、家に向かう。


駅から家までは歩いて10分程度。


去年オープンしたうどん屋の横を通りすぎる。


今度シイに奢ってあげよう。


そんなことを思いながら住宅地の方へと足を進める。






そんな時だった。








違和感。


さっきから少し気になっていた。


だけど気のせいだろうと…そう思い、早く家に帰ろうとしたが…。


つけられてる。


誰かが駅からずっと私の後ろについて来ている。


私の足音に重なるようにもう1つの足音。






シイ?


いや、違う。


シイだったらすぐに私に声をかけてるはずだ。


誰…?


不安が私の中でざわめき出す。


私は足を止めた。


足音が止まる。






やっぱり…私がとまるとその誰かも止まる。


私はまた歩き出した。


すると別の足音がまた重なる。






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