バケバケ2
怖い…
怖い!
私は走り出した。
帰らなきゃ!
早く、家に!
私の足音に合わせて、誰かの足音も早くなる。
追いかけてきてる!
私は無我夢中で走った。
誰なの?
誰かに追われなきゃいけない理由がわからない。
もしかして…バケバケ?
どうしよう、どうする?
足音はどんどん近づいてくる。
このまま逃げても追いつかれるのは時間の問題。
だったら…
私は立ち止まり、勢いよく振り返った。
そして真っ先に見たものは、銀色の何か。
それは横を一閃に光り、私の顔を映し出す。
これ…刀?
刃が動く。
「!」
切られる!!
私は強く目を閉じた。
「………洋子!…」
聞き覚えのある声と共に、住宅地に響き渡る金属音。
今度は何?