バケバケ2
私は腕を強く掴まれた。
目を開ける。
私の腕を掴んでいたのは長い前髪の長身の青年だった。
「…燕さん?」
「……逃げるぞ。」
燕さんに引きずられるようにその場を後にした。
燕さんに腕を引かれながら、私は後ろを見てみた。
赤い女の子。
濃い赤色ののスカートに白いシャツ。
どこかの学校の制服みたいだ。
シャツは前ボタンが全て開いており、裾が縛ってある。
中はサラシだ。
長い黒髪には所々赤い髪が混じっている。
私と同じ年くらいだろうか?
パッと見は普通の女子高生だ。
ただ…
その女の子は刀を持っていた。
真っ赤な柄の刀…
女の子は走り出した。
こっちに向かってくる。
「燕さん!追ってきてる!」
「………。」
燕さんは無言のまま振り返った。
そして私の腕を引く手と反対の手を真っ直ぐ女の子に向かって伸ばした。