バケバケ2




女の子は私に再び斬りかかろうと刀を振り下ろす。


その瞬間…






―キィイン…






金属音が鳴り響く。


女の子と私の間には巨大な白い壁があった。


「ありがとう。」


私は隣の燕さんに言う。


「……どうってことない。」


燕さんはぶっきらぼうにそう言うと、また私の腕を引いて走り出した。









「……もう…追ってこないだろう。」


ずいぶん走った。


女の子はしつこく追ってきたが、なんとか巻くことが出来た。


ここは私の家の近くの公園だ。


「……家まで送る。」


燕さんが言う。


「ううん、もう近くだし大丈夫。」


「……そうか。」


彼、燕さんは私の友達。


シイと同じ元バケバケの人間。


ただ、シイと違うのはバケバケの能力を持ったまま人間になったことだ。


さっきの白い壁は燕さんの能力だ。


燕さんはある事件から私たちの仲間になった。




< 38 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop