バケバケ2
女の子は私に再び斬りかかろうと刀を振り下ろす。
その瞬間…
―キィイン…
金属音が鳴り響く。
女の子と私の間には巨大な白い壁があった。
「ありがとう。」
私は隣の燕さんに言う。
「……どうってことない。」
燕さんはぶっきらぼうにそう言うと、また私の腕を引いて走り出した。
「……もう…追ってこないだろう。」
ずいぶん走った。
女の子はしつこく追ってきたが、なんとか巻くことが出来た。
ここは私の家の近くの公園だ。
「……家まで送る。」
燕さんが言う。
「ううん、もう近くだし大丈夫。」
「……そうか。」
彼、燕さんは私の友達。
シイと同じ元バケバケの人間。
ただ、シイと違うのはバケバケの能力を持ったまま人間になったことだ。
さっきの白い壁は燕さんの能力だ。
燕さんはある事件から私たちの仲間になった。