バケバケ2
1.始動
1.始動
春。
トキとの戦いから約半年。
私、坂本洋子は今日から高校3年生になる。
高校の門をくぐる。
いつも通い慣れた校門も新鮮に見える。
校舎の入り口で、何人かの先生がクラス名簿を配っていた。
私はそれを受け取り、自分の名前を探す。
あった、2組だ。
それから友達の名前を探す。
瑞穂は4組、莉子は6組…真央は8組。
みんな離れちゃったな。
2組の教室は4階だ。
去年は5階だったから間違えて多く階段を昇ってしまいそうだ。
教室に入ると、何人かの生徒が席についていた。
知らない顔ばっか。
少し不安になる。
黒板に座席表が書いてあった。
私の席は…左から2列目、後ろから3番目。
しかし、私がその席を見るとすでに誰か座っていた。
その人は机に突っ伏して、2つに縛った長い髪が机の横に垂れていた。