バケバケ2
我に帰り、うずくまる燕さんに駆け寄る。
「燕さん!」
「………」
燕さんの腹部から大量の血が流れていた。
血は服に滲み、染みをどんどん広げてゆく。
「…どうしよう、とりあえず止血を…」
鞄からタオルを出す。
ひとまず傷口をタオルで押さえたが、その後どうしたらいいのかわからない。
「…どうしよう。」
生きててこんな状況になったのは初めてだ。
止血のただしいやり方もわからないし…
私は1人途方に暮れた。
どうする…?
そうだ…
携帯!
燕さんは千秋と暮らしてる。
とにかく千秋に電話を…
あ……
待って。
先に救急車?
携帯を持つ手が震える。
どうしよう…このままじゃ燕さんが…
電話を…
誰か……
「どうしました?」
「……?」
背後から声を掛けられた。
一瞬さっきの女の子かと思ったが、声が男の人だ。