バケバケ2
私は黙って頷くしかなかった。
そしてそのまま兄のアパートをあとにした。
家に向かい、1人で歩きながら、私は不安に襲われた。
さっきの女の子…
一体誰なんだろう。
顔も見えたけど、知らない子だった。
誰かに恨まれるようなことをした記憶もない。
だけど、女の子は確実に私を狙っていた。
燕さんも心配だ。
私を庇ったがために斬られた。
兄は医学部を出てるし、任せておけば少なくとも私が止血するよりは安心だろう。
そうは思うけど、さっきの兄の態度も気になる。
まるで、私を自分の部屋に入れたくなかったみたいな…
止めよう。
余計な心配をするのは。
兄は昔から何を考えているのかわからない変なところがあったけど…
でも、兄はいい人だ。
それはわかる。
昔から本当に優しくて…
きっと兄に任せておけば大丈夫。