バケバケ2




そんなことを考えてる間にすぐに家に着いた。


「ただいまー。」


「おかえり。」


母がリビングのドアから顔を出す。


「遅かったじゃない。」


「ごめん、帰りにさ…」


燕さんのことを言いかけて躊躇った。


言うのはやめておこう。


母まで巻き込んでしまうかもしれない。


狙われるのは私だけでいい。






「帰りに…なに?」


「ちょっとコンビニ寄ってたの。」


「ふーん、あぁ、そう。昼ごはん出来てるよ?」


母はリビングの中に顔を引っ込めた。






昼ごはんは焼きうどんだった。


シイの顔が頭に浮かぶ。


シイ、焼きうどん好きだったなぁ…


後で持って行ってあげようかな。


……無事に家帰れたかな。

そんなことを思いながらぼんやり昼食を済ませた。






シイには…さっきのこと話した方がいいんだろうか。


どっちにしても、シイには謝りたいし…


シイのアパートに行ってみるか。






私は制服を着替え、タッパーに焼きうどんを詰めて家を出た。




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