バケバケ2
4.無力
4.無力
どうしてこんなことに…?
今俺のベッドで寝ているのはガリガリに痩せた顔色の悪い少年。
思わずここが病院なのではないかと錯覚してしまいそうだが、そうではない。
ここは紛れもなく俺の部屋だ。
なぜ俺の部屋の、しかも俺のベッドで俺ではない誰かが寝ているのか。
その答えは今から1時間前にあった。
今から1時間前。
「腹減ったってお前…」
ソファーで項垂れる敷島を前に灰音は頭を抱えた。
「しかも家もかよ…」
敷島は力なく頷く。
「仕方ないな、…」
灰音は俺の方を見た。
「今日はシイのアパートに泊まっていけ。」
……。
……え?
「ちょっと待て!なんで俺のとこに…」
「いいだろ、お前一人暮らしなんだし。」
「いや、布団とか一組しかないぞ!」
「敷島は布団要らずっス。」
こいつ…泊まる気まんまんだ。