バケバケ2
「………真央。」
私はその人に話し掛けた。
「……うー…ん…」
「真央!」
どうやら眠っているらしい。
私は彼女の肩を叩く。
「!……あ、洋子おはよう!」
「…おはよう。真央、8組でしょ?ここ2組だけど…」
「知ってるよ。」
けろっとした顔で言う真央。
「何してるの?」
「転校生を見に来た。」
「転校生?」
「2組だけ転校生が来るらしいじゃん。」
そういうことか。
私はすぐにわかった。
真央は情報に異常なまでに敏感で、流行は常に先取り、ミーハーでそして…
「転校生、男なんでしょ?」
「うん!」
真央は力強く頷く。
やっぱり。
真央はいつもイケメンばっか探している。
わざわざ階の違う2組まで来たんだ、転校生がイケメンだとか噂を聞いたんだろう。
「転校生、どんな人なの?」
「すっごいイケメンらしいよ?」
私の予想は的中だった。