バケバケ2
5.兄妹
5.兄妹
どうして……
私の手から、シイにあげるはずだったタッパーが落ちた。
タッパーは音を立てて地面に落ち、蓋が開いて中身が出てきた。
今私の目の前に立っているのはさっきの女の子だった。
また、手に刀を持って…。
「見つけた。…今度は逃さない。」
女の子が鋭い刀の先を私に向ける。
手足が震えた。
「お前の力、強い。だから私、お前を殺す。」
女の子の刀の先はしっかりと私を捉えていた。
女の子が動く。
……くる!
私はとっさに手で身を守った。
腕が切れて、血が制服に真っ赤な染みを作る。
頭が真っ暗になる。
音がぼやけて、徐々に音が私から遠退いていく。
私はその場に崩れ落ちた。
刀の先が私の目の前に向けられる。
「これで…敷島に復讐ができる。」
刀振りおろされる。
私は目を閉じた。
その時だった。
「洋子ーー!!!」