バケバケ2
二人で敷島くんの後ろ姿を見送る。
敷島くんの姿が見えなくなると、シイは大きくため息をついた。
「やっと解放された。」
「それで…何者なの、敷島くん。それに…あの女の子も…」
「俺も詳しくは知らないんだが…」
シイはこれまでのいきさつを全て話してくれた。
「へー、そんなことが。」
「あぁ、でもよかったよ、洋子が無事で。」
シイはほっとしたような顔をしていた。
「うん…」
シイのその表情に、少し私は迷ったが、学校の帰りにおきたことについてシイに話すことにした。
「シイ、実はね…」
私は赤月姫に一回目に襲われたこと、その出来事で私を庇った燕さんが怪我をしたこと、そして燕さんは今、私の兄の家で看てもらっていることを話した。
するとシイは、さっきの表情から一転し、暗い表情を見せた。
「洋子の…お兄さん…?」
「うん、前に話したでしょ。東京の方の医学部に行ってたお兄ちゃんが今年からこっちの大学院行くからって戻ってきたって。」
「うん…」