バケバケ2
「瑞穂が朝職員室から出てくるとこ見たらしいんだけど、クールな感じだって。」
「ふーん。」
「でも、変わった名前だったなぁ…」
「なんて?」
「えーと、たしか……」
真央はポケットからさっき貰ったクラス名簿を取り出した。
「…あ、この人。」
私は真央が指差した名前を見る。
その時…
「はい、席について!」
ポニーテールを揺らしながら女の先生が教室に入ってきた。
時計は8時半を過ぎていた。
「あ、やばっ!」
真央は慌てて席を立つ。
「じゃっ、洋子。またあとでね!!」
真央は手をひらひら振りながら、教室を去って行った。
「今日からこのクラスの担任になります、田畑千歳です。」
担任が黒板に名前を書くと筆圧でチョークが粉砕した。
教室からどよめき。
チョークが折れるならまだしも粉砕するなんて…