バケバケ2
その数分後、俺も夕食を食べ終わり、食器を片付けて部屋を出た。
部屋を出てすぐのところにある階段に、ギンが座っていた。
「ギン…」
うつむいていたギンは顔をあげた。
「なんだ、シイか。なによ、なんの用?」
「用って訳じゃないけど、夕食あんまり食べていなかったみたいだし、気になって…」
「大丈夫よ。」
そう言うとギンはまた俯いた。
「嘘つけよ、絶対なんかあっただろ。」
「…別に。ただ、あの場にいられなかっただけよ。」
「どうして?」
「梅雨ねぇのことが好きだからよ。梅雨ねぇはきっと時雨のことが好きなんだよ。でも、私は時雨嫌い。」
ギンはゆっくりと顔をあげた。
不安そうな顔をしていた。
「ねぇ、シイ。私この前初めて時雨ってやつを見たの。見てすぐにわかった。こいつ、危険だって。」
「…。」
「梅雨ねぇ、お人好しだから心配なのよ…」