バケバケ2
「そんなんじゃ洋子ちゃんに嫌われるぞ。」
「余計なお世話です。それに…洋子には俺の姿は
見えないですし。」
「姿が見えるからなのかなー、梅雨。すぐ近くにあるから余計に時雨のことが好きなんだろうな。」
「そうかもしれませんね。」
俺は部屋の電気を消した。
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
俺は布団に入った。
そして眠りにつこうとした。
その時だった……
事件は起こってしまったのだ。
「兄貴…!!シイ!!」
部屋のドアが勢いよくあいた。
俺も兄貴も驚いて顔をドアの方へ向けた。
「…なんだ、キリか。なんだよ騒がしい。」
「大変なんだ…!つ、梅雨さんが!!!」
「梅雨が…?」
嫌な予感がした。
「梅雨さん、死んでるんだ!」
「…え?」
俺が布団からでるより先に、兄貴は部屋を飛び出していた。
「兄貴!」
「梅雨はどこに?!」
「中庭の方に…」
「…クソッ!」
兄貴は中庭に向かって走りだした。