バケバケ2




この転校生シイは今は人間だが、昔は違った。


バケバケだった。






バケバケとは、人間の心の影響を受け、日用品などのモノがヒトガタに化けたもの。


シイは私の鉛筆のバケバケだった。


半年前のトキとの戦いで、シイはバケバケの全ての能力を失い、人間になった。


それまで私の家で居候していたが、戦いの後バイトをしお金を貯めて最近一人暮らしを始めた。


それからはあまり会ってなかったけど…こんな形で会うなんて…






「じゃあ…櫻木は坂本の後ろね。」


先生が私の席の後ろを指差す。


「はい。」


シイは私の横をなに食わぬ顔で通過し、自分の席についた。


……あとで問い詰めてやらなきゃ。






その後、委員会を決め、来週行われる進路説明会の簡単な説明をしてHRは終わった。


解散の号令と共に私はすぐさま後ろを振り返った。


シイは荷物をまとめ、席を立とうとしていた。





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