バケバケ2
髪には最近買ったリボンをモチーフにした髪飾りまで着けてきていた。
せめて髪飾りだけでも取ろうかな、そう思い髪に手を伸ばした時だった。
「洋子!」
「あ…」
少し離れたところにシイの姿が見えた。
当然だがこちらに向かって歩いてくる。
髪に触れていた私のては、行き場をなくしてストンとおりた。
「ごめん、洋子。待たせたな。」
「ううん、別に…」
「じゃ、行くか。」
シイは私に入場券を渡し、エントランスの方へ進んで行った。
「あ、待って」
私はシイの背中を慌てて追いかけた。
シイはいつもと変わらない格好をしていた。
私は余計に恥ずかしくなって、下を向いてシイの少し後ろを歩いた。