バケバケ2
「にゃんだーらんどへようこそ!!」
エントランスをくぐるとすぐににゃんだーらんどのマスコットキャラ、大吉が迎えてくれた。
「シイ、大吉だよ!」
「え?」
この黒猫の大吉、エントランスに現れるのはとっても珍しい。
にゃんだーらんどの奥の黒猫城の内部か、パレードの時にしか会えないキャラクターなのだ。
「シイ、写真撮らなきゃ!」
「し、写真?!」
大吉の周りにはすでにたくさんの人が写真を撮るために列を作っていた。
わたしたちはその列の一番後ろに並ぶ。
「なんだ、大吉って。」
シイが列の先頭を覗きこむ。
「大吉知らないの?!にゃんだーらんど誘ったのシイなのに!」
「え、だって俺がここに誘ったのは…」
「あ、もうすぐ順番くるよ!」
カメラをスタッフに渡し、私とシイは大吉の隣に並ぶ。
「はーい!では撮りまーす!大吉ポーズでおねがいしまーす!」
「だ、大吉ポーズって?」
戸惑いながら小声で私に尋ねるシイ。
「にゃんだーらんどで大吉と写真を撮るときは大吉のポーズをとらなきゃいけないの!」
私は既に大吉ポーズをとってスタンバイしている大吉を指差した。