バケバケ2
「ジェットコースター?なんだそれ。」
軽くアトラクションの説明を終えると、シイは首を傾げた。
そうか、シイはジェットコースターに乗ったことないんだ。
「すっごく楽しいよ、いこ!」
「そうなのか、まぁいいけど。」
シイの腕を引っ張ってアトラクションの入り口に向かう。
人気アトラクションだけあってかなりの人が並んでいた。
最後尾コチラの看板の隣に並ぶ。
「90分待ちだって。ついてるね、普段は二時間以上待つよ。」
「へぇー、すごいんだな。」
シイは辺りをキョロキョロと見回している。
遊園地に来ること自体初めてのようだし、いろんなものが珍しいんだろう。
列が少しずつ前に進む。
並んでから30分ほど経過していた。
「そういえば…」
シイが列の前方に並んでいる女の子たちの集団を指差して言った。
「さっきからあの格好してる人いっぱい見るけど、なんなんだあれ。」
「え?」
女の子の集団はみんな同じ格好をしていた。
背中に惑星の絵が掛かれたTシャツをそれぞれ色違いで着て、その色に合わせた大きなリボンを頭につけている。
そして手には黒地に蛍光ピンクでPとロゴが書かれたトートバッグ。
「あ、ほらあそこにも同じ格好の人がいる。」
シイの指差す先にはたしかに同じ格好の人がいた。
「何かのイベントがあるのかな。」
ここ、にゃんだーらんどには大きなステージもあり、そこでたまにイベントをやっている。