バケバケ2
「その通りだよ!」
「?!」
突然の横からの声に私とシイは驚いて振り向いた。
「今日はね、僕のイベントがあるの!」
私たちのすぐ隣に、パーカーのフードを深く被った少年が立っていた。
「千秋…!」
彼の名前は森山千秋。
今、女の子たちに大人気のアイドルグループplanetのメンバーである。
ある事件をきっかけにわたしたちと知り合った。
「久しぶりだね、洋子にシイ!」
「うん。今日はなんでここに?」
「え、さっき言ったじゃん。イベントだよ、今日ここで僕たちのステージがあるの。」
「そうなの?」
あのみんなが持っているトートのPのロゴはplanetの頭文字だったのか。
「なんだ、見にきてくれたんじゃないんだ。」
千秋が口を尖らせる。
「ごめんごめん」
「いや、いいよ。それに、君たちがなんでここに来てるか知ってるしね。」
そう言うと千秋は真剣な表情をした。
「二人も掴んだんでしょ?情報。だから追ってこんなとこまで来たんでしょ。」
「え?」
情報…?
なんのこと?
「僕は僕でステージやりながら情報集めするから。何か掴んだら二人にも教えるよ。それじゃ、僕は準備あるから。」
そう言うと千秋はひらひら手を振りながら人混みの中に消えていった。
なんだったんだろう。