バケバケ2
「待って。」
私はシイのカバンを掴んだ。
「なに?早く帰ろうよ。」
「そうじゃなくて…何か言うことあるでしょ。」
シイは少し考えて思いついたように言った。
「昼飯どこに食べに行く?」
「…だからそうじゃなくて。」
「?」
「なんでシイがここにいるの?」
「ん?…あぁ…」
シイはカバンの外ポケットからカードを取り出して私に見せた。
「……これ…学生証?」
「あぁ。俺この高校の生徒。」
……え…
「洋子のお母さんがさ、人間になったなら高校通っとけって。だから通わせて貰うことにした。」
「そんな気軽に?」
私の母ならやりかねないな…
でもたしかに高校に通うのはいいかもしれない。
シイは人間になったばかりだし、人間のルールも学ばなきゃいけないし。
けど…不安だ。
いきなり高校に入学なんて…
もう少し慣れてからの方がいいんじゃ…