バケバケ2




全部わかってたはずなのに。




シイと同じ高校に通って、普通に生活して…


二人でテーマパークにきて…


浮かれていた。


シイは常にバケバコのことを考えていて、テーマパークに遊びにきたわけじゃなかったのに。


私だけが…


「…洋子?」


心配そうな顔で私の顔をのぞきこむシイ。


「わかった、探そうバケバコ!」


わざと明るく振る舞った。








シイの話によると、バケバコがこのにゃんだーらんどにあるとわかったのはつい最近のことだそうだ。


千秋の事務所に届いた一通の手紙。


それが始まりだった。






『親愛なる中森千秋様へ

私は貴方の秘密をしっています。

にゃんだーランドにて、箱とともに貴方を待っています。』






手紙にはそう書かれていたらしい。


「箱とともに…」


間違いなくバケバコのことだ。


「この手紙、最初に見つけたのは燕だそうだ。それですぐに灰音に連絡したらしい。」


「そのあと灰音からシイに連絡がいったってわけだね。」


「うん。」






















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