バケバケ2
係の人が来て私の安全バーを上げた。
私は荷物置き場に向かった。
そこには私の荷物とシイの荷物があった。
シイの荷物も持って、アトラクションの出口に向かう。
もしかしたら、シイは先に出て待っているのかもしれない。
しかし、出口にシイはいなかった。
シイが消えてしまった。
嫌な予感がした。
ここには遊びに来たんじゃない。
バケバコを探しに来たのだ。
当然園内にバケバケだっているだろう。
シイは今ただの人間だ。
もし、シイがそのバケバケに襲われたら…
「どうしよう、わたしのせいだ。」
私がシイをジェットコースターに誘ったりしたから。
カバンから携帯を出す。
電話帳のカ行を開いた。
少し下の方に出てくる神崎 灰音の文字。
私は灰音に電話をかけた。
ここにバケバコがあるという情報をくれたのは灰音だ。
灰音なら何か情報を持ってるかもしれない。
私が…私がシイを助けなきゃ。