バケバケ2




耳を塞ぎたくなる。


でも聞かなくては。


だってわたしは…あのときから、灰音と出会ったあのときから、もうシグから解放されたのだから。


もう、耳を塞いだままではいけない。


向き合わなければ。






「力を取り戻す方法、か。可能性としてはバケバコがあるけど…」


「バケバコが…?」


「あくまで可能性だけどな。」


「なんでもいい、教えてくれ。」


「バケバコはもともとトキのバケバケの力でできている。いわばバケバケの力の塊なんだよ。だからトキがいなくなった今でもバケバコは存在し続けている。」


「うん。」


「だからバケバコ調べればもしかしたら力取り戻す手がかりになるかもと思ったけど…」


灰音はシイの顔を見た。


すがるような目をしていた。


「…あんまり期待はするなよ。」


「わかってる。」














「」




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