君を愛す　ただ君を……Ⅱ
　でも学校では、そんな姿を曝け出せない。

　誰も知らないから。私と彩樹が幼馴染だなんて。

　私が彩樹に一方的に想いを寄せてて、勝手に世話女房的なことをしているなんて誰にも言えない。

　彩樹はどこに行っても、人気者で、注目を浴びるの。

　スポーツ万能だけじゃない。綾樹は、顔も格好良いし、光り輝くオーラを身につけている。

　私はそこらへんにいる女子高生と変わらないから。

　綾瀬先輩みたいに美人なら、『幼馴染なんだから』って大きな顔もできたけど。そうじゃない。

　どこにでもいる女子高生だから。

　ちょっと違うのが、パパの実家が大病院ってだけ。

　だからってお金持ちってわけでもない。

　パパの後を継げるように、ただただ勉強をしてきたガリ勉女にすぎないのよね。

「美男美女カップルで、いいんじゃない？」

　良くない！　良くないに決まってるじゃない。

　私はココロとは裏腹の言葉に、自分自身が情けなくなる。
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表紙・目次

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