君を愛す ただ君を……Ⅱ
「見た目はね。美男美女カップルでいいかもしれないけど……やっぱ、ダメ。ダメダメ! 軽部先輩は、女の餌食になるべきじゃない」

 瑞希ちゃんと全くの同意見。でも、言えないよ。

 私は、この学校では、勉強にしか興味のない女で通ってるから。

 今さら、そのイメージを壊すなんてできない。

「まあ、でもさ。軽部先輩がどう答えたかはわからないんでしょ? 断ったかもしれないじゃない。高校3年生で、受験とか控えてるわけだから」

「……だといいんだけど。あの美人マネを目の前にして、断れるかなあ?」

 瑞希ちゃんが、気弱に答えた。

 私もそう思う。美人な女性を前にして、男はその告白を断れるのかな?

 思わず『うん』って言っちゃいそうだよね。

 綺麗で、賢くて。いつでも傍で支えてくれる女性で……。

 部活中、ずっと彩樹を支えてきたんだろうし。これからも支えられる女性なんだろうから。

 私はグッと手を握りしめると、こぼれそうになる涙を堪えた。

 そう……これからも支えられるんだよね、綾瀬先輩なら。

 私と違って。将来がある。未来があるんだ。

 
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