君を愛す ただ君を……Ⅱ
 心臓に疾患があるなんて、言わなければわからない。






「愛菜、学校を休んで病院に行ってきたんだってな。学校から連絡があったが……」

 夕食時、パパが食べ終わった食器を片づけながら声をかけてきた。

「うん。行ってきたよ。ただの過労だって。根詰めて試験勉強し過ぎたみたい。ほどほどにしないとね」

 私は漬物を箸でつまんで口に入れた。

「体調が悪いなら、パパの病院にくればいいのに」

「やーよ。パパの病院は外科専門でしょ? 私は内科に用があったの。それに、パパに上半身を見られるなんて有り得ない。絶対に嫌よ」

「なっ!」

 パパの顔が赤くなる。

「娘の身体を見て何が悪い! 他の医者に見られるほうがよっぽども嫌だろうが」

「それはパパだけでしょ。私はパパに見られたくないの。このナイスボディは、好きな人にだけに見せるものよ」

 私は最後のご飯を口に放りこむと、手を合わせた。

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