君を愛す ただ君を……Ⅱ
「わかってるなら、どうして話してくれない?」

「そんなに気になることじゃないと思って……」

 彩樹が、『ふう』と息を吐く。

「その逆だろ。気になることだから、話さないんだ。話したら大事になるから、言いたくないんだろ? 言えよ。聞くから」

 彩樹が真っ直ぐに私を見つめてきた。

 怖いくらいに真っ直ぐな視線に、私は思わず逸らしてしまう。

「あの日、俺になんと言おうとしたんだ?」

「あの日、言おうとしたのは……ただ、体調が悪くて…」

「違う。嘘はすぐにわかるって言っただろ」

 私は下を向いて、ぎゅっとスカートを握りしめた。

 言っちゃ駄目だと、心の中では叫んでる。

 もう嘘をすぐに見破られてしまうのに、嘘はつけない。

 私は深呼吸をすると、緊張でカラカラに乾いた喉の奥から声を絞り出した。

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