君を愛す ただ君を……Ⅱ
「病院で言われたの。詳しい検査をするべきだって。できればパパの病院で」

「おじさんの? ってことは……」

 彩樹の目が大きく開いた。

 信じられないと言わんばかりの表情だ。

「本当に?」

「うん。少し前から、ときどき心臓がチクチクすることがあって。ママも、そうだったから……県外の病院で調べたの」

「おじさんには?」

「もちろん、内緒だよ。言ったら、絶対にパパが調べるもの」

「なんで言わないんだよ」

「言えない。ママと同じ病気かもだなんて……言えるわけない!」

 彩樹がぐっと私の肩を掴んだ。

「言うべきだ。きちんと調べて、ちゃんと……」

「嫌! 絶対に、嫌よ」

「何で?」

「調べたくないの。検査したら、わかっちゃうじゃない。私に未来がないって」

 彩樹の目の色が変わった。

 掴んでいる肩の力がふっと緩んだ。
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