君を愛す ただ君を……Ⅱ
「未来が無いってどういうことだよ」

 彩樹が私の肩を掴み直すと、軽く上下に振った。

「深い意味は無いよ。ただ怖いだけ。結果をしりたくないの」

「知りたくないわけないだろ。きちんと調べるべきだ」

「いやっ」

 私は両目を閉じて、頭を振った。

 病院になんて行きたくない。検査だってしたくないの。

「愛、病院に行こう。俺も一緒に行くから」

 私はまた頭を横に振る。

「いきたくない」

「駄目だ。行くんだ。じゃないなら、俺の口からおじさんに言うからな」

「やめてよ。パパには絶対知られたくないの」

「やっぱりな」

 彩樹の声がしたと思ったら、突然前が暗くなった。

 眼前に、彩樹の顔があり、ほんわかと唇があたたかくなった。

 え? キス!?

 私、いま彩樹とキスしてるの!?


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