君を愛す ただ君を……Ⅱ
「好きな……! 駄目だ。結婚するまで、絶対にそういう淫らな行為はするもんじゃない」

「パパに言えた義理? 結婚前に妊娠させておいて」

「なっ……」

 パパが怒りで顔を真っ赤にして、口をパクパクさせている。

 パパって我儘よね。

 ほんとに自分のしたことを忘れて、私には制限ばかりかけるんだから。

 それが親なのかもしれないけど。私から見たら、窮屈すぎよ。

「さてと。愁斗と彩樹の夜食を作らないとね。どうせ二人で走りに行ってるんでしょ?」

「九時には戻るって言ってたが」とパパがリビングの掛け時計に目をやった。

 あと10分で帰ってくるのね。

 私も時間を確認すると、キッチンへと足を向けた。

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