君を愛す ただ君を……Ⅱ
 2秒後、唇がゆっくり離れて、彩樹に両頬を優しく両手で覆われた。

「どれくらい重いのか……愛なりに認識してるんだろ? だからおじさんに知られたくないんだ。それに自分で、知りたくないんだろ。どれくらい心臓の疾患が進んでいるのか。知ってしまったら……。残りの命の時間をどう過ごしていいか見えなくなりそうで、怖い」

「……だからそう言ってるじゃない。怖いって」

「おじさんなら、愛に隠されるほうがよっぽども辛いに決まってる。きちんと言うべきだ。最善の策を見つけてくれる」

「パパを悲しませたくない」

 彩樹が私の額にチュっとキスを落とす。

「大丈夫。ちゃんと話そう。俺も一緒に行くから。一人行くより、心強いだろ」

「でも……部活は?」

「心配しなくていいから」

 彩樹が私の背中をポンポンと優しく叩いた。

 彩樹がついてきてくれるなら、パパに話せるかもしれない。

 でも、話せば絶対に、パパを悲しませてしまう。

 ママの持病で、パパは付き合っているときから何年も何年も苦しんできたはずだから。

 
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