君を愛す ただ君を……Ⅱ
「そりゃー、聞けないわよねえ。応援するよ、私。綾瀬先輩なんかに盗られちゃ駄目だかんね」

 瑞希ちゃんが、親指をたててウインクをした。

 私は「あ、うん」と自信なく返事をすると、首の後ろを書いた。

 応援してくれるのは、すごく嬉しいけれど。こればっかりは、彩樹の心次第だからね。

 私より、綾瀬先輩と付き合いたいって思うなら、私がしゃしゃり出る幕じゃないし。

 ふと、キスのことを思い出す。

 私、彩樹に初めてキスされたんだ。

 あれって、どういう意味だったのかな?

 ただゴネてる私を、落ち着かせるためのキスだったのかな?

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