君を愛す ただ君を……Ⅱ
 病院の待合室で、私は彩樹と並んで座っていた。

 私が病院に到着するなり、受付の女性が私に気づいてパパを呼んでくれたらしい。

 午後回診だったため、それが終わったら外来に来るという知らせを看護師から受けた。

 少し薄暗い外来受付に座ると、なんだか気持ちまで沈んでいきそうになる。

 私が下を向くと、彩樹がすっと私の手を握りしめてくれた。

「なんだかデジャブを見ているみたいだ」

 パパの声がして顔をあげると、白衣姿のパパがポケットに両手を入れて、私たちを見つめていた。

「ぱ、パパ」

 私は彩樹の手を離して立ちあがった。

 パパがにっこりと笑って、私たちに近づいてきた。

「パパもこうやって、検査を嫌がっていたママを病院に連れてきたのを思い出すよ」

「え?」

 なんで知って……。

「全く同じ場所に座ってるなんて……何の因果だろうな」

 パパが苦笑した。
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