君を愛す ただ君を……Ⅱ
 ママも、検査を嫌がってたの?

「愛菜、診察室に入って話をしようか」

 パパが、外来の中待合室へと歩いていく。

「俺はここで待ってるよ」

 彩樹が、座ったまま口を開いた。

 私は彩樹に頷くと、パパの後を追いかけた。

 暗い診察室の電気をつけると、パパが回転椅子に腰をかけた。

 机の上には、『越智 愁一郎様』と宛名の書いてる封筒が置いてあった。パパは封筒に手を伸ばすと、中を取り出した。

「パパ、それ……」

「午前中にね。彩樹君から連絡があってね。慌てて愛菜が行った病院を探して問い合わせたんだよ」

「パパ、もしかして取り行ったの?」

「パパは仕事があって無理だったから、アキさんが取りに行ってくれたんだ」

「そんな……」

 パパが、病院からもらってきたカルテを広げると真剣なまなざしで、読み始めた。

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