君を愛す ただ君を……Ⅱ
「パパ、手術したら傷って残るの?」

 ドアの手前で足を止めると、口を開いた。

「多少はね。だけど、彩樹君はそういうの気にしないだろ」

「え?」

 パパ、何を言っているの?

 確かにそこを気にしているわけだけど、でも、私はまだ彩樹と付き合ってるわけじゃないから。

「パパだって、ママの傷口なんて気にしたこと一度もないよ。傷口が残るのを気にして、寿命を縮められるほうがよっぽど嫌だったからね」

「パパ……」

「彩樹君だって同じ気持ちだと思うよ。だからこそ、病院に連れてきてくれたんだろうから」

「パパ、勘違いしてる。私と彩樹はそういう関係じゃないもの。ただの幼馴染だから」

 パパが眉毛をピクっと動かすと、にこっと笑った。

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