君を愛す ただ君を……Ⅱ
「付き合ってないんだ。それは良いことを聞いたな」

 パパが嬉しそうに笑う。

「でもいつかは付き合うかもしれないから」

「いつか…ねえ」

「パパ!」

「はいはい。愛菜が元気そうで良かった。精神的に参ってるって、彩樹君が話していたから、心配してたんだ」

 パパがカルテを小脇に抱えると、診察室の電気を消した。

 パパと私は、一緒に外来の待合室に出た。

 待合室の一角が、すっかり若い看護師に溜まり場になっていた。

 彩樹が、若くて綺麗な看護師に囲まれて、質問攻めにあっている。

 パパがくすくすと笑うと、「これもまたデジャブかな」と呟いた。

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